NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sレビュー -透明なレンズ【作例有】

ニコンの技術者が下のインタビューで語っている通り、Zマウントの策定にあたっては「圧倒的な光学性能という部分にプライオリティを置いた」という。

 この「圧倒的な光学性能」を誇示した代表的レンズは「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」かもしれないが、我々一般庶民にはちょっと手が届かない。この意味で、庶民レベルで到達できる、Zマウントの威力を最も強力に見せてくれたレンズとして「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」をあげられると思う。

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上の写真はつまらない写真だが、このレンズの威力ー画面全域にわたる一貫した画質ーが発揮されている(Flickrでリンク先にでもいって見てください)。ePHOTOzineに公開された笑えるくらい圧倒的なMTFチャートからも明らかな通り、このレンズは、これまでのFマウントやらのこれまでのズームレンズとは異なり、周辺まで均一の画質を保つ、真の意味で単焦点並のズームレンズと言えるだろう。

ちなみに、先代の24-70VRのMTFチャートはこちら。

一見して明らかな通り、画質や色収差など、あらゆる意味でZ24-70 f/2.8は、ちょっと格が違う。ここまで来ると、F値被写界深度(ピントが合ってる面積)を調整するための値でしかなくなる。

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また、逆光体制も基本的には優れていて、どんな環境でも概ね一貫した画像を得ることができる。色乗りもいい(ここはZ24-70 f/4と一番違うところ。f/2.8のほうが圧倒的にいい)。

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(特定条件下だとゴーストがお邪魔することがあるのはご愛嬌)

 

NZ7_8737-3 ボケもなだらかで美しい。開放でも合焦面の画質は全く問題ない。ボケの大きさはf2.8なので、これ以上が欲しい場合だけ単焦点の出番。

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AFもそこそこ速く、極めて正確である。しかし追従性は微妙。まあここらへんは全部Zマウントボディのせいなので現段階では必要十分という感じ。「防塵防滴に配慮した設計」であって防防公式対応ではないが、そこはNikkor。どんな寒くても、水に打たれても埃っぽくてもだいたい動く。人間の耐用限界のほうが先にくる。精進しましょう。

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 よく動き、よく写る。まさに私と景色の間にあって、見え方を邪魔しない透明なレンズ。ここまでくると、あとは撮影者の問題。目の前の景色とどう勝負して切り取るか。その「勝負」する腕が一番問題なんですが。

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上記以外だと、以下の記事の写真もだいたいこのレンズで撮ったもの。ニコンの業績がアレなのでみなさん買いましょう。それでは。